消費されるオタクの時代が変わる―|株式会社ブシロード 中山氏【Web3独自取材】

eyecatch
GabeeTown(GBT)編集部は、4月20日にYGGJapanとIVSの共同で開催された「SHAKE! KYOTO事前説明会※」(プレイベント)にて、ご登壇いただいたパネリストの方々の中から、IPライセンサーとして「株式会社ブシロード 中山氏」ゲームパブリッシャーとして「LINE株式会社 木村氏」へ、独自のインタビュー取材を行いました。

※YGGJapanはIVSと共同で今年6月に行われる、次世代の起業家が集まる国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2023 KYOTO / IVS Crypto 2023 KYOTO」において開催する、Web3ゲームピッチコンテスト「SHAKE! KYOTO」のプレイベント(事前説明会)をTUNNEL TOKYOで実施しました。
>>BCGの都を目指して「SHAKE! KYOTO事前説明会」@イベントレポート
本イベントは、「SHAKE! KYOTO」の事前説明に加えて、ゲームパブリッシャーやVC、クリプトインフルエンサーやIPライセンサーといったパネリストとのトークセッションも行い、後半のネットワーキングでは軽食をとりつつ参加者同士で交流しました。

今回は、「SHAKE! KYOTO」のプレイベント(事前説明会)の様子を写真や文章で皆様にお届けします。

パネリストとして登壇中のトークセッションにて (写真右側 中山氏)

本記事では、IPライセンサーとしてご登壇いただいた「株式会社ブシロード 中山氏」とのスペシャルインタビューを皆様にお届けいたします。
(※本インタビューの内容は、中山氏の個人的な見解・意見です。)

 

  • user1

    中山 雅弘(Nakayama Masahiro)

    パネリスト:IPライセンサー/ゲームパブリッシャー
    所属:株式会社ブシロード 営業企画本部アニメIP部部長

 

同日に行った「LINE株式会社 木村氏」へのインタビュー取材はこちら
Web3を感じさせない、新しい体験の形を求めて|LINE株式会社 木村氏【Web3独自取材】

 

「消費されるオタクの時代が変わる―」┃ブシロード社 中山氏

本メディアのスチール撮影にて (中山氏)

 

  • user1

    GabeeTown編集部

    取材協力いただき、ありがとうございます。

    早速ですが、中山様にいくつか質問させていただきますので、よろしくお願い致します。

    初めに、本イベントにお越しいただいたキッカケなどをお聞かせください。

 

  • user1

    中山 雅弘(Nakayama Masahiro)

    はい。
    椎野がセガ時代の同期なので、そこから今回のイベントに「出てほしい~」という話がきまして。

 

出会いたいプロジェクトについて

 

  • user1

    GabeeTown編集部

    今回開催されるピッチコンテストで、
    Q.個人的に「こんなプロジェクトと出会いたい」というイメージがありましたら、教えてください。

 

  • user1

    中山 雅弘(Nakayama Masahiro)

    A.世界観がイメージできるところ
    ブロックチェーン技術使いますよっていうのは、当然これからという部分は前提として。
    自分が大事にしている”IP目線”「最終的にお客さんがどこをみるのかな?」っていうところ。
    IPとして大事なのは、「”キャラクター性・音楽性・世界観”の三つ揃ってどうバランスをするか?」なんですけど、お客さんに伝わりづらいのってやっぱり”世界観”の部分なんですよね。
    ゲーム開発自体は、エンジニアさんのスキルでできると思うんですが、ゲームの一番面白い根幹の部分で、世界観がちょっとでも感じられるようなものが後々広がっていくと思います。

    何に、どういう世界観を載せるのかっていうものがイメージできているところが、一番いいと思っていますね。

 

TCG以外への興味

 

  • user1

    GabeeTown編集部

    Q.ブシロードさんといえば”カードゲーム”の印象があるのですが、ピッチコンテストなどにおいては特に拘ることなく、他のジャンルも見ていくのでしょうか。

 

  • user1

    中山 雅弘(Nakayama Masahiro)

    A.カードゲーム以外の方が興味ある

    カードゲームは向いてるとは言われるのですが、実際には向いてないと思っています。
    遊戯王とかはデジタル版(オンライン)があって、人が集まってますけど、僕はやっぱり人とのコミュニケーションの中でやるのが一番いいと思うので。

    それ以外のNFT・ブロックチェーン技術を使った、”何か”っていうところが、やっぱり一番のキモなのかなと思う。なので、カードゲーム以外の方が興味ありますね。

 

Web3に期待すること

 

  • user1

    GabeeTown編集部

    Q.中山様として、Web3業界に期待していることや、個人的にワクワクされていることをお聞かせいただけますか。

 

  • user1

    中山 雅弘(Nakayama Masahiro)

    A.海外への展開力

    今までは、国内と海外の垣根を取っ払うのが難しくて、スマホゲームだとしても言葉が垣根になりますよね。

    アニメをやっているときも、Netflixに載せるなら”9か国語対応&3か月前納品”をやらないといけなかったり。いろんな分野でメディア展開する際に、そういった垣根が大きかった。

    Web3になって、一歩出たらすぐ世界に一番近いところで勝負ができるという部分かな、国内市場よりも海外の方を取りたいマインドが凄くあります。

    なので、世界が近いという点が、一番かなと思ってますね。

  • user1

    中山 雅弘(Nakayama Masahiro)

    その上で、“IPを持っているのは、日本とディズニーしかない”んですよね。

    それ以外はやっぱりオマージュ、もう確実に手塚治虫とディズニーしかないんですよ。

    何かの発祥となるものはあっても、その中で終わるんですよね。そこからの広がりはやっぱりない。マインドとしてアジアまで通じてくるのはディズニーと日本しかないし、日本は手塚治虫からなんですよね、スタートが。

    それを全米・北米の人も、オマージュしながら自分たちで作っているっていうところですね。

 

IPライセンサーから見たWeb3の課題点

 

  • user1

    GabeeTown編集部

    Q.IPライセンサーとして、Web3の課題感や問題・不安に感じることを、お聞かせください。

 

  • user1

    中山 雅弘(Nakayama Masahiro)

    A.お客さんへの周知・コミュニティ作りの難易度

    単純にイノベーション・技術革新であり、エポックメイキングなものが生まれるなあと、大事なところは早く手を打ちたいなとは思うんですが。。

    やっぱりエンタメとしては、人がやることなので。お客さんに向けてどれだけ周知させてコミュニティを作りをするかというのは、相当難易度が高くて。

    業界的に周知させることを注力しないと、一生、一部の人がずっと楽しむだけになって、広がるまでに何年と経ってしまう。大手さんも含めて、一気に同じ方向を向くことが大事だなと、その課題があると思います。

 

  • user1

    GabeeTown編集部

    確かに、今まで界隈を見てきても、一部で盛り上がったけど結局そこ止まりというのは、本当に仰る通りです。

 

  • user1

    中山 雅弘(Nakayama Masahiro)

    そうですよね。
    やっぱり元セガ出身というのもあって、時代の斜め上を行くけどお客さんには伝わらなくて、行った後に他から模倣されて、他から刈り取っていくということが過去いっぱいあったんですよ。

    ムシキングとかがそうですね、それを経験すると、やっぱり「お客さんをどう捉えていくか・こちらを向かせるか」は大事だと思うし、ちょっと足並みを揃えた方がいいなあと思いますね。

 

IPが投資・投機と関わる点について

 

  • user1

    GabeeTown編集部

    Q.IP作品がNFT・トークンなどお金と絡むことについては、抵抗感のあるユーザーからの反発も想定されますが、中山様の肌感いかがでしょうか。

 

  • user1

    中山 雅弘(Nakayama Masahiro)

    A.日本人的な消費文化から、IPを育てる時代へ

    凄く日本人的な考え方だなと思います。

    オタクの人が自分の応援しているIPやタレントさんにお布施をする。
    “どのくらいお金を使ったか”が、自慢であったりもしますよね。

    NFTを含めて、自分の推しに投資をすることで、自分が消費するだけではなくなりますよね。

    応援している推しに投資することで還元されるならば、更に追いの投資ができる。これは、もっともっと大事なことだと思うんですよ。

    消費するだけではなくて、IPを育てるという意識ですね。
    欧米であれば、投資に関して幼いころから学んでいるけれど、どうしても(日本は)消費の文化で慎ましい感じになっちゃう。

 

  • user1

    中山 雅弘(Nakayama Masahiro)

    消費だけじゃないオタクっていうのが、当たり前に啓蒙されるべきだと思うんですよ。

    自分が好きなもので稼いで、更にお金を回していくことが大事なので、そこを繋げないと。
    慎ましく消費だけして、「これだけ使ったよ」ではなくて。そこは絶対的に、オタクの文化が変わっていくはずなんですよ。

    トレンドが下がって、そのIPが終わって「悲しいなー」ってなるじゃないですか。

    そうじゃなくて、推した分続いていくし、自分にも返ってくる。
    ずっと長くそれが続いて、世代を超えたIPになっていく…というのが本当の推しだと思うので。

    消費者だけでいるっていうのは、もう終わりなのかなと思ってますね。

    Web3・ブロックチェーンってそういうところの良さがあると思うんです。

 

終わりに|ピッチコンテスト参加者へのメッセージ

 

  • user1

    GabeeTown編集部

    最後、ピッチコンテストへ出場を考えてる方に向けて、コメント・エールなどをお願いします。

 

  • user1

    中山 雅弘(Nakayama Masahiro)

    ゲームという分野・エンタメの中で一番大事なのは”一つのアイディアでも、奇抜な天才でもなくて、消えない情熱。”

    うちの社長の木谷にも言ってるんですけど、本当の才能は、消えない情熱・パッションを持っているか。

    一時のアイディアで跳ねる人もいますけど、やっぱり続かなかったり、一発屋で終わるっていうのは、エンタメを一緒に楽しんでくれる人に対して、良くない話だと思うんですよね。

    IPやゲームを生んで面白さを提供して、応援してくれるなら提供し続ける。
    だけど、YouTuberもお金稼いだら配信やめて卒業しますってなってくるじゃないですか。

    それはお金を得たら、他に時間を使いたくなる訳ですよ。

    やっぱり、応援してくれる人にエンタメを享受し続けること。特にIPとなると、本当に生き様としてやっていかなきゃいけないと思うんです。

    ヒカキンさんとかは、辞めずに続けている。それは、憧れる・応援してくれる子供たちがいて、その他の人達も含めて還元していく。
    大リーガーもそうじゃないですか、その次の世代のために還元していくぞって気持ち、切れない情熱がやっぱり大事だと思うので。

    特に、開発者ってそうだと思うんですよ。
    心の炎・情熱を切らさなければ、その情熱は絶対相手に伝わると思うので、多分大ヒットするんじゃないかなと。

 

会議室にて取材中の様子 (中山氏)

以上、今回は「株式会社ブシロード 中山氏」にインタビューさせていただきました。
(※本インタビューの内容は、中山氏の個人的な見解・意見です。)

改めまして、中山氏にご協力感謝申し上げます。

 

同日に行った「LINE株式会社 木村氏」へのインタビュー取材はこちら
Web3を感じさせない、新しい体験の形を求めて|LINE株式会社 木村氏【Web3独自取材】

 

また、今回取材のキッカケとなった「SHAKE!KYOTO」プレイベント内のトークセッションでも、中山氏にはIPライセンサーの立場から様々なお話をして頂きましたので、気になる方は、ぜひイベントレポートをチェックしてください!

>>BCGの都を目指して「SHAKE! KYOTO事前説明会」@イベントレポート
本イベントは、「SHAKE! KYOTO」の事前説明に加えて、ゲームパブリッシャーやVC、クリプトインフルエンサーやIPライセンサーといったパネリストとのトークセッションも行い、後半のネットワーキングでは軽食をとりつつ参加者同士で交流しました。

今回は、「SHAKE! KYOTO」のプレイベント(事前説明会)の様子を写真や文章で皆様にお届けします。

writer_img

Hikaru@編集長

2020年にバブルの波に乗って暗号資産界隈へ本格参入。BCG・P2Eブーム到来により、Axie・DefiKingdomsなどのプロジェクトに熱狂後、冬の時代を経験。子供のころより夢焦がれていた「ゲームで稼ぐ」世界を実現させるべく、ブロックチェーンを活用したゲームの大衆化を目指してJoin。GabeeTownでは編集長として品質担保・SEOを管掌している。


最新記事