ブロックチェーンとは?|特徴や仕組みを図解でわかりやすく解説!

writer_img

編集部@Tsubasa

eyecatch

昨今、話題になっているブロックチェーン。
説明を見ても、難しい言葉が多くていまいちピンとこないですよね。

なので今回は誰にでもわかるように図解を使って特徴や仕組みを説明していきます。

ブロックチェーンが気になっている方は必見です。

ブロックチェーンとは?|初心者でも簡単

 

用語解説 ブロック→様々な情報が詰まった箱
トランザクション→取引内容や日時など細かい情報

 

ブロックチェーンはネット上にあるデータを正確に記録し、安全に管理するための技術です。

情報をひとつずつ小分けにして箱に詰め、順番に並べて鎖のようにつなぎます。

このような構造を持つので、ブロックチェーンと呼ばれています。

分かりにくい方は、引っ越しの荷造りをイメージしてください。

種類別に必要なものを箱に詰めて、「これはリビング、これは寝室」といったように置く場所を箱に書いて順番に並べますよね。

これがブロックチェーンです。

ブロックチェーンでできること|4つの特徴

ブロックチェーンの4つの特徴 1.情報の改ざんが難しい
2.特定の管理者がいない
3.データが可視化がされている
4.高いセキュリティ性
ここからは上記のブロックチェーンの特徴を4つお伝えしていきます。

いままでのデータ管理方法とは大きく違うといわれる理由がわかります。

どれも重要な特徴なので押さえておきましょう。

情報の改ざんが難しい

ブロックチェーンのデータは特定の会社が管理しているのではなく、ブロックチェーン参加者全員がそれぞれ同じ情報を持ち、管理しています。(自立分散型)

そのため、データの改ざんをする場合は、参加者全員が持つほとんどのデータを改ざんする必要があるのです。

また、参加者が持つデータ(ブロック)はひとつでも改ざんすると、全てのブロックに影響を及ぼします。

これも情報の改ざんが難しい理由のひとつです。

特定の管理者がいない

従来のシステムは特定の機関を設けて、データや取引を管理する中央集権型でした。

ブロックチェーンは特定の管理者を設けない自立分散型を取っています。

自立分散型は多数の参加者が同じ情報を持ち、管理します。

メリットは3つです。

1.セキュリティ強度を向上させる

ブロックチェーンのデータは複数の参加者が分散して持っています。

攻撃者がデータの改ざんを行なう場合、分散されたブロックを一定数、攻撃しないといけません。

ひとつならまだしも、複数のブロックをまとめて攻撃することは不可能に近いです。

2.システム障害に強い

通常であれば、サーバーが停止してしまうと処理は止まってしまいます。

ブロックチェーンのブロックは停止してしまっても、他のブロックが処理を引き継ぐので止まることはありません。

3.情報が誰でも見れるので信頼できる

ブロックチェーンは参加者全員が同じデータを持ち、取引や情報が公開されます。

仮に誰かが情報を書き換えても、ほかの参加者がデータを照合するので、不正や不公平な取引を防ぐことが可能です。

もしも特定の機関がいる中央集権型だと、情報操作の可能性があるため、情報の信頼性が低下することがあります。

データが可視化されている

ブロックチェーン上のデータは公開されており、参加者は同じ情報を確認できます。

データの取引履歴や契約内容などは正確に記録されています。

なので、データがどのように変更されたか検証するのも簡単です。

高いセキュリティ性

ブロックチェーンは参加者全員でデータを管理しているので、データの改ざんは困難です。

また、データの可視化がされており、ネットワークが停止しても他の参加者が処理を引き継ぎます。

このような特徴があるので、セキュリティ性が高く、サイバー攻撃に強いのです。

ブロックチェーンの技術は仮想通貨の取引や安全なオンラインでの身分証明などに活かされています。

ブロックチェーンの仕組み|図解で説明

ブロックチェーンは情報を小さなデータのかたまり(ブロック)にまとめ、ブロックをつなげてデータを保管します。

新しいデータ(トランザクション)が作成されると、ネットワーク上の複数のコンピュータ(ノード)に伝えられます。

伝えられた新しいデータを複数のコンピューターが検証し、正当性を確認。

データに問題がなければ、次のブロックに追加されます。

ブロックは過去のブロックとつながり、順番にデータがつながっていきます。

ブロックチェーンの仕組みは以下の技術に支えられています。

簡単に説明します。

技術名 内容
ハッシュ関数 新しいデータやデータのかたまりを一定の長さの固定値に変換する
暗号化技術 データの内容を当事者以外にはわからないようにする技術
コンセンサスアルゴリズム

(合意する際のやり方、ルール)

ブロックを追加する際に、追加の可否を判断するためのルール
P2P(Peer-to-Peer) 参加者(ユーザー)同士が対等な関係で直接通信し、情報などを共有できる技術
分散型台帳技術 複数の参加者がひとつの情報の記録を管理、共有できる技術。

こういった技術を応用してブロックチェーンは作られています。

1つでも欠けてしまうと、ブロックチェーンは成立しません。

ブロックチェーン|日本の活用事例

ブロックチェーンは仮想通貨の運用に使われているのが有名です。

ほかにどんなことに使われているのか気になりますよね。

日本で実際に活用されている事例をお伝えしていきます。

1.JASRAC|クリエイターの音楽著作権を守るサービス「KENDRIX」

画像引用:JASRAC公式サイトより

現在、メジャーアーティストだけでなく、個人クリエイターさんも気軽に音楽を作成して発信できる世の中です。

ですが、デジタル音楽の存在証明は難しく、さまざまなトラブルが起きています。

 

  • 勝手に作った音楽がBGMなどに使われている
  • 作成した音楽が勝手にアレンジされている
  • 勝手に別の人のものになっている
  • 著作権使用料がもらえない

このようなトラブルを解決するのは非常に難しいものでした。

そこで日本音楽著作権協会(JASRAC)はブロックチェーンを活用した楽曲情報管理システム「KENDRIX(ケンドリックス)」をリリース。

KENDRIXは個人情報と音楽データを登録するだけで、デジタル音楽の著作権を証明できるツールです。

具体的には以下の項目が登録できます。

 

  • 音楽タイトル
  • 作成者情報
  • 音楽の更新情報(時系列)

ブロックチェーンを利用することで、音楽を誰がいつの時点でどのように更新したかを客観的に証明できます。

音楽の更新情報が時系列でわかるので、誰かが部分的に更新後、別の曲だと権利を主張しても通りません。

また、配信代行サービスや楽曲コンペへの参加などの手続きが簡単になります。

2.積水ハウス|賃貸入居手続きの簡略化

積水ハウスさんはブロックチェーンを用いて、賃貸入居時に発生する「物件の内覧」「契約手続き」「生活インフラ」などの手続きをワンストップ化しました。

引っ越し手続きは、何枚も書類を記入し、何度も不動産屋に行く必要があります。

立ち合いには必ず不動産屋さんに来てもらわないといけません。

これが、一度の個人情報の記入だけでほとんどの手続きが完了し、内覧も立ち合いが必要なくなります。

引っ越しの手続きをまとめて申し込むサービスはありますが、ブロックチェーンを使うことでさらに引っ越しが簡単に。

3.ジャニーズ|入場・チケットシステムの実証実験

2022年にジャニーズ事務所がライブの入場チケットにブロックチェーンを使う実証実験を行ないました。

いままでは以下のような不便な点がありました。

 

  • 複数で入場する場合、全員いないと入場できない
  • チケットの譲渡は不可
  • 入場の際、一人ずつ免許証などで本人確認が必要

今回のブロックチェーンチケットは、チケット購入から入場までの流れを主催者が全て把握できます。

これにより、上記の不便な点は解消され、不正入場の防止やチケットの転売防止が可能。

購入手続きも専用のアプリを入れるだけなので非常に簡単。

所有者情報だけでなく、流れを把握できるのがブロックチェーンの凄いところです。

ブロックチェーン|4つの種類

ブロックチェーンには4つの種類があります。

 

  • パブリック
  • プライベート
  • コンソーシアム
  • ハイブリッド

それぞれの利用目的や特徴をお伝えしていきます。

パブリック

基本的なブロックチェーンがパブリックチェーンです。

誰でも参加できるオープンなネットワークで、特別な管理者は存在していません。

参加者はブロックチェーン上の情報を閲覧し、新しい取引を自由に追加できます。

情報は複数の場所に保存されており、自由に取引履歴を見れるので信頼性や安全性が高まります。

パブリックチェーンのルール変更は参加者の同意が過半数必要なので、変更されるまでに時間がかかります。

プライベート

プライベートチェーンは、学校や会社などの組織内で使われるブロックチェーンです。

参加者が制限されていて、内部の情報や取引はそのグループだけが見ることが可能。

組織内のメンバーだけが取引やデータを見れるので、外部からの不正アクセスや情報漏えいのリスクが低いです。

また、プライベートチェーンは組織内の業務効率を向上させることもできます。

例えば、会社なら在庫管理や契約管理など、組織内のデータを正確に管理するのに役立ちます。

コンソーシアム

コンソーシアムチェーンは、複数の組織や企業が協力して運営するブロックチェーンです。

参加組織が共同で決定を下し、ルール作りや手続きを行ないます。

また、複数の企業が運営していても、ルール変更には一定数の同意が必要です。

つまり、管理者の都合でルール構築がされることはありません。

コンソーシアムチェーンは同業他社での商品管理などに使われることが多いです。

ハイブリッド

ハイブリッドチェーンは、パブリックとプライベートの要素を組み合わせたブロックチェーンです。

公開したい情報と非公開にする情報を使い分けることが可能で、信頼性やセキュリティを高めながら、プライバシーや効率性も保つことができます。

このブロックチェーンは様々な目的や要件に応じて使われます。

例えば、金融取引の処理や個人情報の管理です。

一部の情報を公開し、他の情報を参加者の中で共有することで、安全な取引や効率的なデータ管理が実現できます。

ブロックチェーンの未来|将来性はどう?

ブロックチェーンの技術は素晴らしいですが、将来性はどうでしょうか。

矢野経済研究所によると、ブロックチェーンの市場規模は2025年度には約7247億になると予測されています。

また、経済産業省はブロックチェーンが影響を与えるとしていくつかの可能性をあげています。

 

  • ポイントが発行団体以外でも使え、通貨のように使用できる。
  • 役所手続きや銀行口座開設の本人確認方法が簡単になる。(印鑑が不必要など)
  • お店の在庫情報が卸売りまで共有され、必要な時、場所に適切な量の在庫があるようになる

このようにあらゆる手続きが簡略化、オンライン化され、さまざまな業界に革新をもたらすといわれています。

例えば、食品業界は製品がいつどこで作られ、どこに配送されたかを追いかけ、従来よりも食品の安全性を高めることができます。

医療業界では患者のデータを病院と薬局で共有し、薬がなくなった際に薬局にいかなくてもネットで注文が可能です。

また、ブロックチェーンはオンライン投票や電子投票などの分野でも注目されています。

選挙の投票などがインターネットでできれば、投票率も上がりそうですよね。

ブロックチェーンが世の中に浸透することで、私たちの社会はより便利になっていきそうです。

ブロックチェーンとは?|まとめ

ブロックチェーンはネット上にあるデータを正確に記録し、安全に管理するための技術で、4つの特徴がありました。

  • 情報の改ざんが極めて難しい
  • 特定の管理者がいない
  • データが可視化されている
  • 高いセキュリティ性

よく使われるブロックチェーンはパブリックチェーンと呼ばれ、仮想通貨以外にもさまざまな分野で活用されるようになっています。

ジャニーズのチケット購入など、身近なところで使われていく技術なので覚えておきましょう。

writer_img

編集部@Tsubasa

2022年までメディアのライターとして4年間従事。子供のころからゲームに触れ、最近はRTAに鬼ハマり中。現在はさまざまなBCGをプレイして興味を持つ。大衆にBCGの概要や良さをゲーマー視点で伝えたいと思いjoin。GabeeTownでは編集者として記事執筆を主にしている。


最新記事